「ハローワークは、もうあまり利用されていないのではないか」
そう思っている経営者の方もいるかもしれません。しかし、実際には今も多くの企業が利用しています。
厚生労働省の調査では、中途採用・経験者採用を実施している企業のうち、73.4%がハローワークを利用していました。求人情報誌・求人サイトの73.8%と、ほぼ同じ水準です。特に企業規模が小さいほど、また大都市圏以外の地域ほど、ハローワークの利用率が高い傾向も確認されています。
ハローワークは、決して過去の採用手段ではありません。
また、2025年度平均の有効求人倍率は1.20倍、直近の2026年5月も1.17倍です。ハローワークでは、求人数が求職者数を上回る状態が続いています。(出典:厚生労働省)
ただし、「求人が多い」ことと、「自社に応募が来る」ことは、まったく別の話です。

目 次
求人を出しただけで、採用活動を終えていませんか?
ハローワークは無料で求人を掲載できます。窓口で相談しながら求人票を作成できることも、中小企業にとって大きな利点です。その一方で、手軽に利用できるため、
「とりあえず求人を出しておこう」
「以前の求人票を少し直して再掲載しよう」
「条件を書いておけば、誰か応募するだろう」
という使われ方にもなりやすい面があります。
しかし、求職者が知りたいのは勤務時間や休日、給与だけではありません。
- どのような仕事を任されるのか。
- 職場にはどのような人がいるのか。
- 入社後、どのように仕事を覚えるのか。
- 大変なことは何か。
- 同じような求人の中から、なぜこの会社を選ぶべきなのか。
こうした情報が見えなければ、条件に大きな差がない限り、応募先として選ばれにくくなります。
どの会社にも書ける言葉では、違いは伝わりません
求人票には、似たような表現が並びがちです。
「未経験者歓迎」
「アットホームな職場」
「やりがいのある仕事」
「丁寧に指導します」
「社会保険完備」
これらが嘘だということではありません。しかし、どの会社にも書ける言葉は、その会社を選ぶ理由にはなりにくいのです。
たとえば「未経験者歓迎」と書くなら、
- 実際に未経験で入社した人がいるのか
- 入社後、誰が何を教えるのか
- 一人で仕事を任されるまで何カ月かかるのか
- 未経験者が最初につまずきやすい点は何か
そこまで伝えれば、求職者の不安は減ります。
「人間関係が良い」と書くなら、抽象的な言葉ではなく、社員同士の関わり方や職場での具体的な出来事を示す必要があります。
ハローワークが悪いのではない
応募が来ないと、「ハローワークでは良い人が採れない」と考えたくなります。しかし、本当に媒体だけの問題でしょうか。
求人票を読んでも仕事内容がよく分からない。
ホームページを見ても採用情報がほとんどない。
社員の姿が見えない。
会社の特徴が説明されていない。
条件以外に、働く理由が見つからない。
この状態であれば、掲載する媒体を変えても、結果は大きく変わらない可能性があります。
採用できない原因を媒体だけに求めると、自社の求人内容や情報発信を見直す機会を失います。
ハローワークを「入口」として使う
とはいえ、ハローワークをやめる必要はありません。
無料で利用でき、地域の求職者に求人を届けられるという点で、今も有力な採用経路です。ただし、ハローワークだけで会社の魅力をすべて伝えようとするのには限界があります。
求人票で自社の募集を知ってもらい、会社のホームページや採用ページで、さらに詳しい情報を読んでもらう。
求人票、会社案内、採用ページ、社員紹介、写真などを使い分け、必要な情報を届けることが重要です。
応募が来ない原因をハローワークだけに求めるべきではありません。求人を見た人が、その会社を選ぶ理由を見つけられていない可能性もあるからです。
求人を掲載することは、採用活動の始まりにすぎません。
これから必要なのは、求人を出すだけではなく、求職者に選ばれる理由をつくり、それを具体的に伝えることです。
求人票の「中身」と、その先の「情報発信」が重要

それだけに、求人票の「中身」と「表現」、その先の「情報発信」が重要になるのです。
