「うちには発信することがない」と思っている会社ほど伝えるべきことがあります

MRD

「うちには、わざわざ発信するようなことはありません」。会社案内やWebサイトのご相談で、ときどき聞く言葉です。私はこの言葉を聞いても、すぐに「そんなことはありませんよ」とは言いません。

毎日その会社で仕事をしている方からすれば、本当にそう見えているからです。いつものお客様から注文が入り、いつもの手順で仕事をして、いつものように納品する。そこに特別なものがあるとは、なかなか思えません。

そこで、少し違う角度から話を伺うことをしてみます。

どのような相談が多いですか。急な依頼が来たときは、どうしていますか。お客様から褒められたことはありますか。長く働いている社員は、なぜ辞めずにいるのでしょう。そうして話を続けていると、最初には出てこなかった話が、少しずつ出てきます。

「普通です」という話が、気になります

取材をしていると、「それは普通のことです」「どこの会社でもやっているでしょう」と言われることがあります。私は、むしろその言葉のほうが気になります。

例えば、納品後に問題がないか必ず連絡していること。急な相談でも、できるだけその日のうちに返事をしていること。ベテラン社員が若い社員の仕事を、本人に気づかれないくらい自然に支えていること。一つひとつは、派手な話ではありません。ただ、それを何年も続けている会社は、実際にはそれほど多くないかもしれません。

本人たちにとっては日常でも、お客様から見れば安心して仕事を任せられる理由になります。求職者から見れば、働く会社を選ぶための手がかりになります。会社の中にいると近すぎて見えないことが、外から見ると、その会社らしさとして見えてくるのです。

「魅力」という言葉は、少し大げさかもしれませんが

会社の魅力を探しましょう、と言うと、立派な技術や大きな実績を見つけなければならないように聞こえますが、必ずしもそうではないと私は思っています。

お客様の話をよく聞く人がいる。面倒な仕事を頼まれても、簡単には断らない。製品を出す前に、誰かが必ずもう一度確認している。そんな仕事の積み重ねも、十分にその会社を表しています。

大きな言葉に置き換える必要はありません。実際に行っていることを、できるだけそのまま伝えたほうが、かえって信頼してもらえることがあります。

「高品質」「お客様第一」「豊富な実績」と書くだけでは見えなかった会社の姿が、具体的な仕事の話から見えてきます。

取材では、少し寄り道をします

取材には、あらかじめ質問を用意して伺います。ただ、質問に順番どおり答えていただくだけでは、その会社らしい話にたどり着けないこともあります。取材は、その場の雰囲気や流れを大切にして進めます。

創業当時の苦労を聞いていたら、今も続いている仕事の考え方が見えてきた。失敗した仕事の話から、お客様への向き合い方が分かった。社員の何気ない一言が、その会社の雰囲気を一番よく表していた。そのようなことがあるので、少し話が横道にそれても、急いで元へ戻さないようにしています。

きれいに用意された答えよりも、考えながら話してくださった言葉の中に、その会社にしかないものが含まれているからです。

言葉が見つかってから、デザインを考えます

会社のことが整理されると、何を大きく見せるべきか、どのような写真が必要かも見えてきます。Webサイト、会社案内、採用ツールの表現にも、自然と一本の軸が通ります。反対に、伝える内容が曖昧なままデザインを始めると、見た目は整っていても、どこかで見たようなものになりがちです。

私たちの仕事は、何もないところから魅力をつくることではありません。すでに会社の中にあるものを見つけ、相手に伝わる言葉や写真、デザインに整えることです。「何を発信すればよいか分からない」という言葉は、何もないという意味ではありません。

まだ、外から見つけてもらっていないものがある。そのように考えると、会社から発信できることは意外に多いのではないでしょうか。

「何から直せばいいか

わからない」段階から、

ご相談ください。

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