採用サイトをつくる前に会社が整理しておきたいこと

窓辺の会議室で話す三人

採用に困っている会社から多く聞かれることの一つに、「採用サイトをつくれば、応募は増えるでしょうか」という質問があります。

採用サイトがきっかけとなり、会社に興味を持つ人が増えることはあります。ただし、サイトをつくるだけで、応募が自然に増えるわけではありません。まず考えたいのは、サイトのデザインではなく、そこで何を伝えるのかです。

ところが、これが案外難しいのです。

「どんな人に来てほしいですか」と聞いてみます

私は採用サイトの取材では、「どのような人に来てほしいですか」と必ず伺うことにしています。よく返ってくるのは、「明るく元気な人」「やる気のある人」「コミュニケーションが取れる人」といった答えです。

もちろん、それも間違いではありません。ただ、その条件だけでは、実際にどのような人が仕事に合うのかまでは見えてきません。

そこで、現在活躍している社員について聞いてみます。その人は、どのような仕事が得意なのか。お客様とどのように接しているのか。入社した頃から活躍していたのか。それとも、時間をかけて成長したのか。

具体的な社員を思い浮かべてもらうと、「話すことより、相手の話を聞ける人のほうが向いている」「派手さはないけれど、毎日きちんと続けられる人が合っている」といった言葉が出てくることがあります。こちらのほうが、最初の答えよりも、ずっとその会社らしく感じられます。

仕事の名前だけでは、働く姿を想像できません

求人情報には、「法人営業」「製造」「品質管理」などの職種名が書かれています。ただ、同じ職種名でも、会社によって実際の仕事はかなり違います。

営業といっても、新しいお客様を探す仕事もあれば、長くお付き合いのあるお客様を訪問する仕事もあります。製造の仕事も、一人で機械に向き合うのか、周囲と相談しながら進めるのかで印象は変わります。

求職者が知りたいのは、職種名の先にある日常です。朝は何から始まるのか。誰と仕事をするのか。入社後、最初に任される仕事は何か。一人でできるようになるまで、どのくらいかかるのか。現場では当たり前すぎて説明していないことほど、初めてその仕事を知る人には必要な情報です。

良いことだけを書かないほうが、良く伝わる場合もあります

採用サイトですから、会社の良いところを伝えるのは当然です。ただ、働きやすさや楽しさだけが並んでいると、かえって「本当だろうか」と思われてしまうことがあります。仕事を覚えるまでに時間がかかる。繁忙期は忙しい。お客様の都合で予定が変わることもある。そのようなことを、何もかも隠さず書けばよいとも思いません。

仕事の難しさと、それを会社がどのように支えているのかを一緒に伝えることはできるからです。

覚えることは多いけれど、最初の半年は先輩と一緒に動く。忙しい時期はあるけれど、部署内で仕事が偏らないよう調整している。良い面と大変な面の両方が見えたほうが、求職者は入社後の自分を現実的に想像できます。

経営者と社員では、見えている会社が違います

会社の魅力を経営者や採用担当者だけで考えていると、制度や事業の強みが中心になります。ところが、社員に話を聞くと、少し違う答えが返ってくることがあります。

休みを相談しやすかった。困っていると、別の部署の人も手伝ってくれた。思っていたより、自分で判断できる仕事が多かった。経営者にとっては小さなことでも、求職者にとっては会社を選ぶ理由になるかもしれません。

社員インタビューを行う意味は、会社を褒めてもらうことではありません。経営者から見た会社と、社員から見た会社。その両方を知ることで、外へ伝えるべき姿が少しずつはっきりしてきます。

応募する前の人にも、入り口が必要です

採用サイトを見た人が、その場ですぐ応募するとは限りません。

少し興味はあるけれど、自分に合うか分からない。仕事内容について、もう少し聞いてみたい。職場を見てから考えたい。そのような人に、いきなり応募を求めるのは少し無理があります。「まずは相談」「会社見学」「質問する」といった入り口があれば、応募するか迷っている人とも接点を持てます。

採用する側は、どうしても応募数を気にしますが、その前には「知る」「気になる」「もう少し聞いてみる」という段階があります。採用サイトは、その小さな気持ちの変化にも応えられる場所でありたいと思います。100件問い合わせが来ても、マッチする人がいなかったケースと、2件しか問い合わせが来なかったが、2人も良い人で採用に至ったケース。果たして、どちらが喜ばしいことなのでしょうか。

サイトの形を考えるのは、こうした社内の話ができてからです。来てほしい人の姿、実際の仕事、社員が感じている会社、応募前の不安。それらを一つずつ言葉にしていくと、その会社で働くことが、ようやく外からも見えるようになります。

「何から直せばいいか

わからない」段階から、

ご相談ください。

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