昨日、「飲食店の原価率って、どのくらいなんだろう」という話になりまして。
一般的には30%前後がひとつの目安と言われてます。
ちなみに「原価率」とは、売上に対して材料費がどのくらいかかっているかを示す割合です。例えば、1,000円で提供する料理の材料費が300円なら、原価率は30%。数字が低いほど、売ったときに残る金額は大きくなります。
でも、少し考えてみると、原価率が低ければ儲かるというほど単純な話ではありません。例えば、コーヒーは原価率を低くできます。でも、一杯のコーヒーで一時間席を使われれば、その間、その席から生まれる売上は限られます。反対に、原価率がもう少し高くても、短時間で多くのお客様が利用する店なら、しっかり利益を出せる可能性があります。
つまり、原価率という数字だけを見ても、その店が儲かっているかどうかは分からないということです。
一つの数字だけでは、全体は見えない
原価率だけではありません。飲食店なら、客単価、回転率、人件費、家賃、光熱費、席数、営業時間。それぞれが組み合わさって、初めて商売全体の姿が見えてきます。
原価率が20%だから優秀とも限りませんし、40%だから悪い店とも限りません。どの数字を見るかよりも、そもそも「何を知りたいのか」が大切なのだと思います。
そんな話をしていて、ふとホームページも同じだと思いました。
アクセス数が多ければ、良いホームページなのか
ホームページではアクセス数やページビュー、検索順位など、いろいろな数字を見ることができ、もちろん、どれも大切な数字です。
ただ、アクセス数が多ければ、そのホームページが会社の役に立っているとは限りません。月に1万人が見ていても、問い合わせが1件もないかもしれません。
逆に、月に500人しか見ていなくても、その中から毎月3件の相談や商談につながっているのであれば、そのホームページは十分に役立っていると言えると思います。
採用サイトも同じです。応募数が多いことだけを追いかけるのではなく、会社が求めている人に情報が届いているか。その人が会社を理解した上で応募しているか。採用までつながっているか。そこまで見なければ、本当の意味での効果は分かりません。
数字を見る前に「目的」を確認する
ホームページの相談を受けていると、どうしても「アクセスを増やしたい」「検索順位を上げたい」「もっと問い合わせを増やしたい」という話になることが往々にしてあります。
もちろん、それ自体は間違っていないのですが、ただ私は、その前に「そもそも、このホームページに何をしてほしいのでしょうか」と考えることがあります。
新規のお客様から相談してもらいたいのか。採用応募を増やしたいのか。会社のことを知ってもらい、営業活動を助けてもらいたいのか。既存のお客様に安心してもらいたいのか。目的によって、見るべき数字も、直すべき場所も変わります。
飲食店で原価率だけを見ても商売全体が分からないように、ホームページもアクセス数だけを見ていては、本当に必要な改善を見失うことがあります。
ホームページが「会社の役に立っているか」
結局、私が一番気になるのは、とても単純なことです。
そのホームページは、会社の役に立っているか。 → MRDのサービスについて
アクセス数や検索順位は、会社の役に立っているかを考えるための材料です。数字そのものが目的ではありません。だからMRDでは、ホームページを作るときも、直すときも、「何を作るか」だけから考えないようにしています。
会社が今どんなことで困っているのか。誰に何を伝えたいのか。その上で、ホームページなのか、採用サイトなのか、印刷物なのか。あるいは、まず言葉を整理することから始めるべきなのか。
飲食店の原価率について考えていただけなのですが、最後はいつもの仕事の話になりました。
たぶん商売というのは、一つの数字だけを良くしようとするより、その数字が全体の中でどんな意味を持っているのかを見ることのほうが大切なのだと思います。
※ おまけ。では、どんな店なら儲かりやすいのか?
せっかくなので、原価率だけでなく、客単価、回転率、人件費、家賃、席数まで含めて考えてみました。ここからは私なりに考えてみた仮説です。
条件は、10〜15坪くらいの小さな店。カウンター中心で少人数運営。客単価は1,000〜1,500円程度。長居する店ではなく、比較的回転が速いこと。
そんな条件で考えてみると、私なりに「商売として組み立てやすそうだ」と思ったのは、次の3つでした。
1.看板商品を絞ったカレー専門店
基本となるカレーを一つ作り、トッピングなどで数種類に展開する。提供が比較的早く、少人数でも運営しやすい。テイクアウトにも向いています。メニューを増やしすぎなければ、仕込みや在庫管理も複雑になりにくい。何より「あそこのカレーを食べたい」と思ってもらえる看板商品を作ることができれば強い。
2.ご飯と豚汁を中心にした小さな定食店
炊きたてのご飯、大きな豚汁、それに魚や肉のおかずを一品。何十種類もメニューを揃える定食屋ではなく、むしろ品数を絞る。「今日はちゃんとしたご飯を食べたい」という需要はなくなりません。メニューを限定すれば、仕込みや食材ロスも抑えやすくなります。派手ではありませんが、日常的に通ってもらえる店になれば強いと思います。
3.蕎麦+小丼の店
お蕎麦だけで客単価を上げようとすると難しいので、小さな丼との組み合わせ。そば+ミニ天丼、そば+小さな親子丼などです。提供時間が短く、一人客も入りやすい。昼食にも夕食にも使える。うまく設計すれば、比較的小さな店でも回転率を作れます。
この3つに共通しているのは、料理のジャンルではありません。小さな店で、少ない人数で、メニューを絞り、きちんと単価を取り、席を効率よく使う。という点です。
もちろん、実際の商売はそんなに単純ではなく、立地もあります。味もあります。競合もあります。店主の魅力もあるでしょう。それでも、原価率だけを見るところから始めて、客単価や回転率、人件費まで考えていくと、「儲かりそうな店」の姿もだいぶ変わって見えてきました。
MRDで飲食店を始める予定はまったくないのですが、こうやって商売の仕組みを考えている時間が、私はけっこう好きです。


