「いい感じにしてほしい」の中に、プロの仕事がある

ホームページやパンフレットの制作に向けて、写真やデザイン案、資料を広げながら構成を検討する様子

いま、生成AIを使えば、文章も画像もデザインも、驚くほど簡単に作れるようになりました。ですので、クライアントの方が「なんだ。プロンプトを入れれば、すぐできるじゃないか」と感じるのも無理はないと思います。

実際、何かを「作る」だけなら、以前とは比べものにならないほど簡単になりました。ただ、仕事として本当に使えるものを作ろうとすると、話はそんなに簡単ではないのです。

お客様の要望は、最初から整理されているとは限らない

MRDがお客様から相談を受けるとき、最初から要望がきれいに整理されていることは多くありません。

「もう少し会社の良さを伝えたい」
「採用で若い人に興味を持ってもらいたい」
「古く見えるので、何とかしたい」
「うまく言えないけれど、もう少しいい感じにしたい」

そんなところから始まることがよくあります。

でも、それでいいのだと思ってます。お客様は、デザインやWeb制作の専門家ではありませんし、何をどう伝えればよいのかまで最初から整理できているなら、そもそも制作会社に相談する必要はありません。

それゆえに、MRDの仕事は言われたものをそのまま作ることではありません。

「何を作るか」の前に、「何を伝えるか」を整理する

話を聞く。資料を見る。これまで作ってきたものを見る。会社のことを知る。誰に、何を伝えたいのかを考える。そのうえで、「つまり、伝えたいのはこういうことではないですか」と整理していく。ここに、制作のかなり大事な仕事があります。

例えば、

「親しみやすくしたい。でも軽くはしたくない」
「情報はたくさん載せたい。でもゴチャゴチャさせたくない」
「若い人に見てもらいたい。でも若者向けに寄せすぎたくない」

実際の要望には、こうした一見矛盾する条件が普通に含まれています。それを一つずつ解きほぐし、優先順位を決め、言葉や写真やデザインに置き換えていく。それも制作の仕事なのです。

実際の仕事でも、最初から掲載内容や構成が決まっているとは限りません。例えば日鋼YPK商事様のキャリア採用サイトでは、社員への取材を重ねながら、4つの部門の仕事内容、社員紹介、待遇・福利厚生、キャリアパスなどを整理し、サイト全体の構成に落とし込んでいきました。
→ 制作実績を見る

MRDでは、ホームページやパンフレットといった制作物を最初に決めるのではなく、まず「誰に、何を伝えたいのか」「いま何に困っているのか」を整理するところから始めています。
→ MRDのサービスについて

完成品には見えない「判断」がある

出来上がったものだけを見れば、単に「きれいにデザインした」ように見えるかもしれません。でも、その前にはかなりの量の整理と判断があります。

何を残すか。何を削るか。何を一番最初に見せるか。どの言葉なら伝わるか。どこまで説明するか。どこは、あえて説明しないか。写真は何を選ぶか。情報をどの順番で見せるか。

こうした判断は、制作ソフト(例えば、IllustratorやPhotoshopなど)を使えることとは、少し違う技術です。長く仕事をしてきた中で身についた、経験や勘も含めた「熟練」に近いのだと思います。

AIで「作る」ことが簡単になったから、見えてきたこと

生成AIの進歩によって、文章や画像、デザイン案を短時間で形にできるようになりました。ただし、出来上がったものが、その会社にとって本当に必要なものなのか。そこを見極めるには、会社の事情や目的を理解することが欠かせないと思います。

何を作るべきなのか。何を伝えるべきなのか。誰に届けたいのか。何を優先するのか。そもそも、本当の問題は何なのか。そこから考えなければならないことが多いのです。

だから、AIにプロンプト(AIに何をどう作ってほしいかを伝える指示文)を入れて何かが出来上がることと、仕事として役に立つものが出来上がることは、同じではありません。

むしろ「作る」ことが簡単になったことで、これまで制作会社やデザイナーが当たり前のようにやっていた仕事が、以前より見えやすくなったように思います。

「いい感じに」は、案外高度な注文なのかもしれない

「もう少しいい感じに」

制作の現場では、よくある言葉です。本当に、実に本当に良く言われる一言なのです。

一見すると曖昧な注文です。でも、その曖昧さの中から、何を求めているのかを汲み取る。本人(発注者様)もまだ言葉にできていない考えを整理する。いくつもの可能性から、一つを選ぶ。そして、「これなら伝わる」というところまで仕上げる。そこに、プロの仕事があります。

言われた通りに作るだけなら、これからますますAIでできるようになるでしょう。一方で、曖昧な意図を汲み、整理し、判断し、形にする仕事は、簡単にはなくならないように思います。

餅は餅屋。そこには、やはり理由がある

なぜ企業は、わざわざ外部のデザイナーや制作会社に仕事を頼んできたのか。生成AIを使うようになって、その理由が逆に見えやすくなった気がします。

単に手を動かしてもらうためではありません。自分たちでは整理しきれないものを整理してもらう。自分たちでは気づけない視点を加えてもらう。曖昧なものを、伝わる形にしてもらう。そのための分業でもあったのだと思います。

餅は餅屋。古い言葉ですが、生成AIの時代になって、その意味を改めて噛み締めています。

「まだ、うまく説明できないんだけど」から、ご相談ください

MRDは単にデザインやホームページを作る会社ではなく、「まだ、うまく説明できないんだけど」という段階から相談してもらえる会社でありたいと思っています。

「会社の魅力をうまく伝えられない」「ホームページを見直したいけれど、何から始めればよいかわからない」「採用活動で困っている」。

そんな段階からでも構いません。何を作るかを決める前に、何を伝えたいのか、誰に伝えたいのか、何が本当の課題なのか。そこから一緒に考えることも、私たちの仕事です。

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