府中市と近隣6市で求人を出している300事業者の採用情報を調べました。
給与・勤務条件を具体的に説明している事業者は97.7%。一方、社員・職場を具体的に見せている事業者は35.0%、キャリアを具体的に説明している事業者は25.7%でした。
ここしばらく、私は府中市とその近隣6市で求人を出している会社や事業者の採用情報を、一社ずつ見ています。全部で300社です。
最初は、「採用情報って、実際どのくらいちゃんと作られているんだろう」と思ったのがきっかけでした。
ホームページに採用ページがあるか。仕事内容は分かるか。どんな人を求めているのか。給与や休日はどうか。社員の顔は見えるか。入社した後、どんな働き方やキャリアがあるのか。
そんな項目を決めて、ひとつずつ見ていきました。
給与・勤務条件は97.7% 仕事内容も89.7%
正直なところ、調べる前は「そもそも採用情報そのものが少ない会社が多いのでは」と思っていました。ところが、少し違いました。給与や勤務条件は、かなり書かれていました。
今回調べた300事業者のうち、給与・勤務条件を具体的に説明していたのは97.7%。仕事内容についても、89.7%がかなり具体的に説明していました。求人を出している以上、このあたりの情報はやはりきちんと用意されています。
では、何が足りなかったのでしょうか。
見えにくかったのは、そこで働く「人」
一番気になったのが、「人」です。
実際に働いている社員や職場の様子を、写真やインタビューなどで具体的に見せていた事業者は35.0%でした。逆に、46.0%では、社員や職場の実像をほとんど確認できませんでした。
入社後のキャリアが見えない事業者は46.7%

もうひとつは、「その先」です。
入社した後、どう成長していくのか。数年後にはどんな仕事を任されるのか。どんなキャリアの選択肢があるのか。そこまで具体的に説明していた事業者は25.7%でした。
46.7%では、入社後のキャリアについての説明をほとんど確認できませんでした。
給与・勤務条件は97.7%。社員・職場の見え方は35.0%。キャリアの具体的な説明は25.7%。
300社を見ていて、私はこの差が一番気になりました。
条件は伝えている。しかし、その一方で「誰と働くのか」と「入社した後どうなれるのか」までは、まだ十分に伝わっていない。
足りないのは「情報量」ではないのかもしれません
採用で苦戦している会社のホームページを見ると、「情報が少ない」と言いたくなることがあります。ただ、今回300社を見てみて、少し考えが変わりました。情報量そのものが足りないとは限りません。
給与も書いてある。休日も書いてある。仕事内容も書いてある。
それでも応募する側からすると、「実際、どんな人たちが働いているんだろう」「自分がここに入ったら、3年後、5年後はどうなっているんだろう」というところが見えない。
もしかすると、採用で必要なのは項目を増やすことではなく、こういう部分をもう少し丁寧に伝えることなのかもしれません。
求人票だけでは、なかなか出てこない情報があります
社員に話を聞いてみる。普段の仕事風景を撮る。入社してから今までを振り返ってもらう。
最初は何が大変だったか。どんな仕事を任されるようになったか。今後どうなりたいと思っているか。
そういう話は、求人票の項目を埋めるだけでは、なかなか出てきません。しかし、私は、そこにこそ会社ごとの違いが出ると思っています。
採用情報への入口が分かりにくい事業者も22.7%
今回の調査では、採用情報への入口そのものが分かりにくい事業者も22.7%ありました。また、「どんな人に来てほしいか」を仕事と結びつけて具体的に説明していた事業者は42.0%でした。
このあたりも、もう少し詳しく見ていきたいと思っています。
今回調べたのは、2026年9月時点で、府中市・調布市・小金井市・国分寺市・国立市・稲城市・多摩市で、フルタイム求人を公開していた300事業者です。
企業の良し悪しを評価したものではありません。あくまで、求職者がWeb上で見ることのできる採用情報が、「どう伝わっているか」を見たものです。
今回の調査について

- 調査時期:2026年9月
- 対象地域:府中・調布・小金井・国分寺・国立・稲城・多摩
- 対象:公開フルタイム求人を確認した300事業者
- 公式サイト・採用ページを優先し、公開求人情報を補完的に確認
- 無作為抽出ではない
- 個別企業の優劣やランキングを目的としない
採用ページを立派にすることが目的ではありません
300社を見ていて思ったのは、採用ページを立派に作ることが目的ではない、ということです。求人票だけでも伝えられることはたくさんあります。一方で、求人票だけでは伝えにくいこともあります。
人のこと。職場のこと。入社した後のこと。そのあたりをどう伝えるか。
採用について相談をいただいたとき、MRDではまずそこから一緒に見ていきたいと思っています。


