「経済なき道徳は寝言であり、道徳なき経済は犯罪である」(二宮尊徳)
まちづくりのプロ、木下さん
地方創生は安倍内閣が掲げた、東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を上げることを目的とした一連の政策。この流れもあり、各地でまちづくりが盛んですが、上手くいっているところは多くありません。そんな中、まちづくりといえば木下斉さんを置いて他にはいません。若くして全国各地でまちづくり事業に取り組む、まちビジネス事業家、地域経済評論家。経営とまちづくりのプロです。
まちづくりは「経営」である
木下さんの主張を端的にまとめるならば、「まちづくりは経営である」という一点だろうと思います。いくら美しい素敵なこと言っても唱えても、しっかり稼いで収益を得なければだめ。域外からの外貨を獲得し、それで域内経済をしっかり循環させ、持続させていかなければだめ。補助金頼みで、まちづくりをやっても、ビジネスが継続するわけではないからだめ。補助金漬けで上手くいかなくなるから、といったようなことです。
産業を興して、域内経済を循環させる
要するに、まちづくりには(新規)産業が欠かせないということでもあると認識しています。まちに住んでいる人から収入を得てビジネスをするだけでは市場は萎んでいく一方です。そのための域外収入獲得です。ですが、単純に観光産業を盛り上げて!もっと観光客に来てもらって!とか、地元の特産品を都市圏で買ってもらって!という甘い考え、ビジネスプランでもうまくは行きません。
全国のどの地域も「うちにはこんな名所旧跡があるから観光に来てください。泊まりに来てください。こんな美味しい名物があるから食べに来てください」と誘致しているのです。他所との違い、優位な点を生み出し、地元でしっかりとお金が循環する仕組みを構築しないと、例え観光客数が増えても、大手交通系企業(航空会社・鉄道会社・旅行代理店)や、非地元系の大手宿泊施設が儲かるだけです。
稼げるまちづくりを目指して
仮に観光でまちおこしを考えるのならば、観光客に来てもらい、日帰りではなく泊まってもらい滞留時間を多くしてもらい、地元産業にお金を落としてもらわないといけません。お土産品を少し買って帰ってもらうだけでは域内経済が循環しているとは言えません。
一朝一夕にはいかないことですが、新しく産業をつくり出すということは、事業を起こすということでもあるのです。競合優位性を持ち、収益を上げ続けるために、自分たちのまちの強みは何か、初期費用はいくらか、小さくても良いから、すぐ出来ることは何かなどをしっかり見極め、覚悟を決め、一歩を踏み出して欲しいと思います。(終)
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