目 次
はじめに
保険は“儲ける道具”ではありません。私たちが買っているのは、一撃で生活が壊れるリスク(破滅リスク)を避ける権利です。だからこそ、保険は「全部、入る」よりも、入るところは厚く、入らないところはきっぱり貯金で、が合理的だと思っています。
この記事では、その視点で分かりやすく仕分けしてみました。これまでの【計算シリーズ】とは趣向が違いますが、ぜひ保険の見直しを【計算】してみてください。
注意:本記事は一般的な考え方の整理(の一例)です。ご家庭・ご自身の収入・資産・家族構成・居住地域等で最適解は変わります。あくまでも自己責任でご判断ください。一切の責任を負いません。
決める基準は、2つだけ
破滅回避かどうか?…起きたら半年〜1年分の手取り、あるいは資産の2割超が吹き飛ぶ規模かどうか。
賠償かどうか?…他人を巻き込んで金額が青天井になり得るかどうか。
どちらか一つでも「はい」なら、保険でヘッジ。両方「いいえ」なら、貯金(自家保険=自己管理すること: 保険会社に頼らず、自分の家や自社の資金でリスクを管理すること)が基本です。

入るべき保険(入っておいた方が良いのでは?)
自動車の対人・対物賠償(任意保険)
できれば対人・対物とも無制限+弁護士特約。発生確率は低くても、一度で数千万円〜億単位に。破滅回避の最優先。
個人賠償責任(自転車・日常生活)
家族全員対象+1億円以上(可能なら無制限)が目安。自治体で自転車保険を義務化する地域も増加。
火災保険
- 持ち家:建物+家財(再調達価額ベース)
- 賃貸:家財+借家人賠償/修理費用
住まいを失うのは生活根幹のダメージ
住宅ローンの団信(付帯)
事実上の必須。定期死亡保険と重複し過ぎないよう調整を。
定期死亡保険(掛け捨て)※扶養がいる世帯主のみ
必要保障額=「教育+生活+葬祭等 − 公的給付(遺族年金など) − 団信」。積立型より、まず額を確保。
海外旅行の医療・賠償(海外渡航時のみ)
医療1,000万円以上+賠償1億円以上が目安。クレカ付帯は条件と上限を必ず確認。
条件しだい(検討の価値あり)
地震保険
リスクは大きいが上限が低く免責も大きい。地域(活断層・液状化)や耐震等級、家計余力とセットで判断。
就業不能/所得補償
自営業・単収入・貯蓄が薄い場合に有効。就業不能の定義や免責期間は要チェック。
車両保険
新車・高額車・通勤必須・ローン残大なら優先度アップ。免責で保険料を調整。
医療保険・がん保険
高額療養費や傷病手当金で公的保険が強い国です。どうしても心配な“穴”だけ最小限で。
原則いらない(自己負担が合理的かも)
スマホ保険/携行品保険/家電延長保証
起きても小損。しかも時価評価・免責・修理不能時の扱いで戻りが小さくなりがち。
学資・養老・積立型(貯蓄代替)
保障と投資は分けるのが基本。資産形成はつみたてNISAやiDeCoなど、長期の低コスト運用を優先。
傷害保険の重複加入
ほかの保険や特約でカバー済みのことが多いので整理を。
迷ったときの「10秒チェック」
□ それが起きたら半年〜1年分の手取りが飛ぶかどうか?
迷ミニ計算で直感を磨こう!
□ スマホ保険の例
月500円=年6,000円。仮に本体6万円、年5%で全損(盗難や落下)と仮定すると期待損失は3,000円/年。免責や時価評価で実際はもっと戻りにくい。平均的には損になりやすく、貯金で十分なことが多い。
□ 自動車の対人賠償
発生確率は低くても、数千万円〜億単位に跳ねる可能性。破滅回避のコスパが圧倒的ゆえ、最優先で厚く。
よくあるつまずき(ここだけ注意)
□ 重複加入
個人賠償は「火災保険の特約/自転車保険/クレカ付帯」で三重加入しがち。どれか一つでOK。
□ “時価”と“再調達価額”の違い
家財は再調達価額が基本。時価だとかなり削られることもあるようです。
□ 更新型の保険料上昇
年齢で上がるタイプは、総支払額を見て設計しましょう。
□ クレカ付帯の条件
自動付帯か、旅費をそのクレカで払ったときだけの利用付帯か、必ず確認を。
予算の立て方(シンプル設計)
- 生活防衛資金(生活費3〜6か月)を先に確保。
- 上から順に、賠償 → 住まい →(扶養がいれば)定期死亡を優先。
- 余力で「地震」「就業不能」「車両」「医療・がん」をピンポイントに。
- 小口リスクは貯金と行動対策(ケースやバックアップ)で。
まとめ
- 基本方針は 「破滅回避は厚く、その他は貯金で」。
- 賠償リスクと生活破綻性の2軸でサクッと仕分け。
- 重複と“時価評価”に注意しつつ、必要なところだけお金をかける。
注意:本記事は一般的な考え方の整理(の一例)です。ご家庭・ご自身の収入・資産・家族構成・居住地域等で最適解は変わります。あくまでも自己責任でご判断ください。一切の責任を負いません。
