「とりあえずやってみる」が多い経営者ほど、ビジネスは回転しながら前に進む

「ちゃんと準備してから動きたい」「失敗したら恥ずかしい」——

頭では「行動が大事」と分かっていても、実際にはなかなか動けない。MRDでは、そのような経営者の方の相談をたくさんいただいてきました。

一方で、規模の大小を問わず、伸びている会社の経営者のみなさんに共通する口ぐせがあります。

「とりあえず、やってみましょうか」

MRD通信

1.「とりあえずやってみる」経営者の頭の中

「とりあえずやってみる」が口ぐせの経営者は、決して楽観的なだけではありません。むしろ、次のような現実的な考え方をしています。

  • やってみないと、本当の答えは分からない
  • 机上の議論より、現場の反応の方が信頼できる
  • 小さい失敗をたくさん集めた方が、致命傷を避けられる

だからこそ、完璧な準備よりも「まず一歩」を優先します。そして、その一歩の中身はたいてい「小さく」「安く」「早く」試せるものです。

2.ビジネスは“転びながら”しか前に進まない

新しい取り組みには、必ず「想定外」がつきものです。

  • 思ったほど問い合わせが来ない
  • 反応してくれたのは、想定と違うお客様だった
  • 社内のオペレーションが追いつかない …など

どれだけ事前に考えても、やってみるとズレが出てきます。この「ズレ」を早く知るための行動こそが、「とりあえずやってみる」です。

転ばないように…と動かないでいると、実は一番大きな機会損失を出している
——これは、多くの中小企業をお手伝いしていて強く感じる点です。

転びながら進む会社は、

  1. 小さく試す
  2. すぐ振り返る
  3. 少しだけ改善してもう一度やる

このサイクルの回数が、とにかく多い。結果として、同じ1年でも、試したこと・学んだことの“量”がまるで違ってきます。

3.「とりあえず」の一歩を“ギャンブル”にしないコツ

とはいえ、「とりあえずやってみる」が「とりあえずお金をかける」になってしまうと、それは単なるギャンブルになってしまいます。

MRDとしておすすめしたいのは、次の3点です。

① ゴールは「当てる」ではなく「学ぶ」

  • 初回の目的を「大当たり」に置かない
  • 「お客様は何に反応するのか?」を学ぶ実験と位置付ける
  • だからこそ、「数字で振り返る」前提で始める

② スケールを決める(時間・お金・範囲)

  • まずは1か月だけ/10万円だけ/このエリアだけ
    といったように、上限を先に決める
  • 「うまくいったら、次の1歩を大きく」という順番にする

③ 振り返りを“予定表に書く”

  • やりっぱなしが一番もったいない
  • 実験を始める段階で
    「○月○日に結果を見て次の一手を考える」と決めておく

この3つを決めてから「とりあえずやってみる」と、一つひとつのチャレンジが“経験値”として、会社に蓄積されていきます。

4.MRDが見てきた「小さな一歩」の具体例

MRDがお手伝いしている中小企業でも、「とりあえずやってみた」小さな一歩から、流れが変わった例はたくさんあります。

たとえば——

  • ホームページの1ページだけを、思い切って作り替えてみる
    → いきなり全面リニューアルではなく、「採用情報」だけ、「お問い合わせ」だけ先に改善。そこから反応が変わり、自信を持って全体リニューアルに踏み出せたケース。
  • ニュースレターやコラムを、まず3回だけ配信してみる
    → 「継続できるか不安だから、やらない」のではなく、「3回やってみて、社内の負担を計測してから継続判断」をしたケース。
  • 既存のお客様向けDMを、“手書きひとこと付き”で30通だけ出してみる
    → 反応率や会話の質が変わり、翌年から本格的な顧客フォロー施策になっていったケース。

どれも、「いきなり100点を狙っていない」のが共通点です。

60点でもいいから、まず1本やってみる。

その60点から100点版をつくっていく——この順番です。

5.「転べる余白」を、会社と経営者に残しておく

最近の中小企業の現場を見ていると、人手不足や業務の細分化で、「転べる余白」がどんどん削られているように感じます。

  • 目の前の仕事で精一杯
  • メール・電話対応に追われる
  • 新しい取り組みは「いつかやろう」で先送り

だからこそ意識的に、

  • 月に一度は「実験タイム」をつくる
  • 年に一つは「新しい試み」を必ず入れる
  • 「まずはテスト版でやってみましょう」が社内の合言葉になるようにする

といった“余白づくり”が、結果的に会社の生命力を高めていきます。

6.MRDからのご提案:「実験の設計」を一緒にやりませんか?

「とりあえずやってみる」の重要性は分かっている。でも——

  • 何から手をつければいいか分からない
  • そもそも、どのくらいの規模で試すのが妥当なのか不安
  • 成果の振り返り方が分からない

そんなときは、「実験そのものの設計」からご相談ください。

  • まず、何をゴールにするか
  • どの媒体(ホームページ/チラシ/DM/SNS…)で試すか
  • 予算と期間の上限をどう決めるか
  • 結果をどう測り、どう次の一手につなげるか

MRDでは、デザインや制作だけでなく、こうした「小さなチャレンジの組み立て」を一緒に考えることを大切にしています。

おわりに:今日、何を「とりあえず」やってみますか?

ビジネスは、転ばずに進むことはできません。むしろ、小さくたくさん転んだ会社ほど、足腰が強くなっていく——そんな姿を、私たちは何度も見てきました。

この記事を読み終えた今、あなたの会社で「とりあえずやってみる」一歩は、何でしょうか?

  • お客様へのニュースレターを1通だけ作ってみる
  • 採用ページの文章を、1ブロックだけ書き換えてみる
  • いつもとは違う切り口のDMを、10通だけ送ってみる

もし「これをやってみたい」というものが浮かんだら、ぜひMRDに、その“最初の一歩”づくりをお手伝いさせてください。

歩きながら、転びながら、回転しながら、進みながら、一緒に前へ進んでいきましょう。

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