冷凍技術は、これからのビジネスを変える

みなさん、先日の『マツコの知らない世界』ご覧になりました?「お取り寄せ冷凍パンの世界」。

日本の冷凍技術がすごいことは知っていましたが、これからのビジネスに「冷凍技術」はますます欠かせないな、と強烈に思った次第です。温暖化でどんどん暮らしが暑くなりますしね。

この冷凍パンの回を見ていて、あらためて感じたのは、これは単なる「保存」の話ではない、ということです。

昔の冷凍食品には、どこか“便利だけれど、味は少し落ちるもの”という印象がありました。しかし、いまの冷凍技術はかなり違います。焼きたてに近い香り、食感、風味を残したまま、遠くの人に届けられる。しかも、好きなタイミングで食べてもらえる。

これは食品ビジネスにとって、かなり大きな変化です。

MRD通信

たとえば、地元で人気のパン屋さん、惣菜店、菓子店、飲食店があるとします。これまでは、商圏は基本的に「お店に来られる人」でした。

車で来られる範囲。
電車で来られる範囲。
せいぜい近隣市町村まで。

ところが、冷凍技術と冷凍配送が組み合わさると、商圏は一気に広がります。

府中のお店の商品を、北海道の人が食べる。
広島の商品を、東京の人が注文する。
地方の名店が、全国にファンを持つ。

こういうことが、以前よりずっと現実的になっています。

つまり冷凍技術は、食品を長持ちさせる技術ではなく、市場を広げる技術になっている(いた)のです。

しかも、これからは気候の問題もあります。

夏が長くなり、気温が高くなり、食品の品質管理はますます難しくなります。常温での保存や輸送にはリスクが増えます。作りたてをそのまま届けるにも限界があります。そう考えると、冷凍は単なる便利機能ではありません。食品ビジネスの安全性や安定性を支える、重要なインフラになっていくはずです。

さらに、人手不足の問題もあります。

毎日その場で作って、売れ残りを心配して、閉店後に廃棄する。こうした従来型のやり方は、働く人にもお店にも負担が大きいものです。一方で、冷凍に適した商品設計ができれば、製造のタイミングを調整できます。

繁忙期に備えて仕込む。注文に合わせて出荷する。売れ残りのリスクを下げる。食品ロスを減らす。

これは、小さな会社やお店にとっても無視できないメリットです。

ただし、ここで大事なのは冷凍すれば何でも売れるわけではない、ということです。

冷凍してもおいしさが残る商品なのか。解凍方法はわかりやすいか。パッケージに魅力があるか。ネットで見たときに「食べてみたい」と思ってもらえるか。贈答品として成立するか。価格に納得感があるか。

ここまで設計しないと、冷凍技術はただの設備投資で終わります。

逆に言えば、ここをきちんと考えられる会社にとっては、大きなチャンスです。商品そのものだけでなく、見せ方、売り方、届け方まで含めて考えれば、これまで届かなかったお客様に届く可能性があるのですから。

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これからの食品ビジネスは、「どこで売るか」だけではなく、「どの状態で届けるか」が重要になります。

焼きたてを売る。
作りたてを売る。
店頭で売る。

それだけではなく、「一番おいしい状態を、冷凍でどう再現するか」「遠くのお客様に、どう感動を届けるか」という発想が必要になってきます。冷凍技術は、地味に見えて、かなり強い武器になります。

地域の商品を全国へ。
季節の商品を通年へ。
店頭販売を通販へ。
廃棄リスクを販売機会へ。

そう考えると、冷凍技術は食品業界だけの話ではありません。これは、地方企業や中小企業が市場を広げるための、かなり現実的なヒントにもなります。

「うちは小さいから全国展開なんて無理」そう考えている会社ほど、実は冷凍技術との相性を一度考えてみる価値があるかもしれません。

おいしいものを作れる会社は、たくさんあります。これから差がつくのは、そのおいしさを、どこまで・どう届けられるか。

冷凍技術の進化は、食べ物の保存方法を変えただけではありません。小さな商圏で戦っていた商品に、新しい市場を開く可能性も与えているのです。

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