BOP(ビーオーピー)とは「Base of the Pyramid」の略称で、世界の所得別人口構成の中で、最も収入が低い所得層(貧困層)を指す言葉です。
世界には年間3,000ドル未満で暮らしている貧困層が約40億人いるといわれており、近年、こういった人々をビジネスの対象と捉え、事業を展開する民間企業の動きが高まりつつあります。
BOPビジネスとは、市場規模が約5兆ドルにも上ると言われる、このBOP層をターゲットとしたビジネスのことです。
企業の利益を追求しつつ、低所得者層の生活水準の向上に貢献できるWin-Winの関係を基本としたビジネスモデルで、例えば低所得層にも購入可能な商品を販売して健康を増進したり、新たな雇用を生み出すなどの形態があります。
わかりやすい例が、ヤクルト飲料の海外戦略です。中南米のメキシコやブラジル、それにアジア諸国といったBOP市場で展開されています。
BOPビジネスは、直接的な利益の獲得を目的としないことから、CSRと似たもの、あるいは延長線上にあるものとして論じられることも多いのですが、CSR活動とは異なるものだと考えます。
ましてや、ソーシャル・ビジネスとBOPビジネスは、どちらも社会的課題の解決を目的としている活動ですが、ターゲット定義や利益分配などが違うため、ソーシャル・ビジネスとも同じとはいえないのではないかと考えます。
ただし、どちらが似ているかといえば、ソーシャル・ビジネスの範疇、延長線上のもの、展開例と言えるかもしれません。