成果を“運”に任せないために ~ 人任せから仕組み任せへ変えるMRD流“仕組みデザイン”の考え方

MRD通信

日に日に世界が悪くなる♪ 気のせいか♪ そうじゃない♪ そんなじゃダメだと焦ったり♪ 生活しなきゃと坐ったり♪ 

朝ドラ『ばけばけ』主題歌、ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」の歌詞ですが、今の日本で「世界が日に日に悪くなっている」と感じやすい要素は、冷静に見てもかなり揃ってしまっています。

  • 物価高・住宅高騰で「普通に暮らす」ハードルが上がり、中間層には家が夢物語になりつつある。
  • 都市部では高額現金強奪など、従来とは質の違う犯罪が目立ち、「治安が変質してきた」という論調も出ている。
  • 倒産件数は増える一方。
  • 政治は多党化・再編続きで、選挙制度とのミスマッチや「決められない政治」への不信感が語られている。

こうしたニュースが日常的に降ってくると、「気のせいか」「そうじゃない」の揺れそのものが、今の時代の標準装備になっているように思えます。

そこでMRD流「仕組みデザイン」の出番。

「成果を運や人に任せず、再現可能な“仕組み”で回す」思考法を、経営者目線で解説します。

中小製造業やB2B企業の経営者の皆さん、こんな経験はありませんか?

「優秀な営業担当が辞めて売上が激減した」
「人事のベテランさんが抜けたら採用がストップした」
「現場の職人さんがいなくなったら品質が安定しなくなった」

これらはすべて「人任せの業務」が原因です。優秀な人がいれば回るが、いなくなれば崩壊する――この「属人化」は、中小企業の成長を阻む最大の敵です。

MRD的に定義すると、仕組みはこうです。

「同じ品質の成果を、同じように再現できるようにするための、流れ・ルール・道具・判断基準のセット」

ポイントは「再現性」です。一度うまくいった“偶然の成功”を、次も、来月も、別の担当者でも、再現できる状態にする。これが仕組み。

中小企業でよく起きる問題は、実は似ています。

  • 忙しいときに限ってミスが増える
  • 仕事が属人化して、引き継ぎが地獄になる
  • 営業や採用が「その場の思いつき」になりやすい
  • 問い合わせ対応の質が人によってバラつく
  • 改善したいが、何から手をつければよいか分からない

これらは「頑張り不足」ではなく、仕組み不足で起きます。つまり、努力の方向を変えるだけで改善します。

仕組みをデザインするとき、まず見るべきは次の4点です。

  1. 入口:何が入ってくるのか(問い合わせ、依頼、応募、情報、タスク)
  2. 変換:どう処理するのか(手順、担当、判断、テンプレ、ツール)
  3. 出口:何を出すのか(成果物、提案、返信、納品、フォロー)
  4. 循環:どう改善するのか(振り返り、数値、学びの蓄積)

この4点で眺めると、「問題の正体」が見えやすくなります。

たとえば「問い合わせが少ない」は出口の問題に見えて、入口(流入導線)と変換(返信の質・速度)と循環(改善の有無)が絡んでいる、という具合です。

1)目的を言語化する(“何のための仕組み”か)

  • 売上を上げたい
  • ミスを減らしたい
  • 引き継ぎ可能にしたい
  • 残業を減らしたい
  • 採用の質を上げたい

目的が曖昧だと、仕組みは増えるだけで、効かなくなります。

2)理想の「流れ」を一本にする(工程を描く)

まずは現状ではなく、理想から。「問い合わせ → ヒアリング → 提案 → 受注 → 納品 → フォロー」。このように、一本の流れにして可視化します。

3)詰まる場所を特定する(ボトルネックを決め打ちする)

仕組み化は全部やると重くなります。効くのは大抵、次のどれかです。

  • 判断が遅い(誰が決めるか不明)
  • 情報が散らかっている(探す時間が長い)
  • 手戻りが多い(要件が固まっていない)
  • テンプレがない(毎回ゼロから書いている)

4)“最小のルールと道具”で回す(やり過ぎない)

仕組みは「厳格さ」ではなく「運用可能性」が命です。最初から完璧を目指さず、まずは

  • テンプレを1枚
  • チェックリストを10項目
  • 判断基準を3つ
  • 記録場所を1つ

くらいの粒度で十分です。

5)回しながら整える(改善が仕組みの本体)

仕組みは作って終わりではなく、回して育てるものです。月1回でもよいので、以下を軽く見直します。

  • 何が詰まったか
  • 何が早くなったか
  • 何が減ったか(ミス、手戻り、確認、残業)
  • 次に直す“1点”はどこか

ある東京都近郊の機械部品メーカー(従業員30名)。社長が全営業を担っていたが、仕組みデザインで変革。

Before:社長直々の電話対応。属人化でスケールせず。

After:結果、社長の営業時間が半減し、新規事業に注力。売上20%増

経営者の皆さん、今日から1つの業務を選んで「仕組みマップ」を描いてみててはいかがですか。

『仕組みデザイン』は「人を省く」ではなく、「人を活かす」ための投資。属人化から脱却し、持続成長を実現しましょう。

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