スプロール化現象とは、一般的には都市が”無秩序に拡大”(sprawlの本来の意味)してゆく現象のことです。周辺道路との接続などを意識しないまま、その土地の形状に合わせて、都市郊外の住宅地などが整備される際に起こります。単にスプロール化とも言います。
外縁部の周辺都市に人が流入し、大勢が住むようになり、結果的に街・都市の輪郭が拡大していくわけです。これは主に生活圏・行動半径をを拡大させたモータリゼーション、車の普及が要因であると言われています。
スプロール現象がもっと広がると、外縁部と本来の中心部との距離が大きくなり、買い物・仕事などの日常の行動に中心部まで移動するのが大変となって きます。その結果、外縁部の中に、そのようなニーズを補う場所が生まれてきます。それの最たるものが郊外のショッピングモールです。
外縁部には土地があまっていますから、巨大で最新の設備を作ることができ、集客力があります。古くから栄えていた都市中央部は、そのような再開発が 困難なので地域としての魅力が減少してきて、人口密度が下がってきます。これが「ドーナツ化現象」です。いわゆるシャッター通り商店街などがその典型的な例です。
スプロール化防止のひとつとして、公的機関などによる大規模な区画整理を都市開発に先立って行うことも挙げられています。敷地を整形にすることが可能になり、都市機能が向上すると言われています。
一方で、スプロール化した住宅地は計画性に乏しいが故に逆に土地区画、住宅の種類や形態、住宅の供給年代の多様性をもたらしているという意見もあります。
ドーナツ化現象の対策のひとつは、中心市街地の再開発・再活性化です。中心部の商店街を魅力ある街によみがえらせることで集客力を再び高め、経済 的・社会的に潤いを取り戻し、街を元気づけ、外から人を呼び寄せようという方策です。中心部にアパート・マンションなどを建て、郊外の人に移転を呼びかけ る「街中居住」という方策をとっているところもあります。(わが故郷山形県酒田市も!)
ただし、問題は、その活性化プランです。大勢を巻き込んだ地域連携で臨むしかなく、一時的なカンフル剤ではない恒常的な根本治療が必要です。
例えば、名物を創ることも大切ですが、それだけ作っても一時的な効果しか得られないでしょう。都市開発を含め、商圏をしっかりと捉え、「私たちの都 市に街にお金を落としてくれる潜在的な顧客はどこにいるのか、どうすれば潜在顧客を顕在化できるのか、どうすれば顧客は満足してくれるのか、繰り返しお金 を使ってくれるのか、地場産業との連携は」などを必死になって考える必要があります。