AIは人の判断を変える。だから会社は「どう要約されるか」を考えなければならないというお話

先日、日経新聞に少し怖い記事が出ていました。

AIが商品レビューを要約する際、商品の長所だけを抽出して見せると、購入が大きく増えたという内容です。つまり、人は自分で判断しているつもりでも、実際には「どの情報を先に見せられるか」「どの情報を省かれるか」によって、かなり判断を動かされている

といった内容の記事です。もちろん、これは商品レビューの話ですが、企業活動に置き換えると、かなり重要な示唆があると感じました。

これからの時代、会社はお客様や求職者に直接見られるだけではありません。その前に、検索エンジンやAIによって「要約」されます。

「この会社は何をしている会社か」
「他社と何が違うのか」
「働きやすい会社なのか」
「応募する価値があるのか」
「相談しても大丈夫そうか」

こうした判断が、ホームページや採用ページをじっくり読む前に、AIの要約や検索結果の短い説明文によって決まってしまう可能性があります。

MRD通信

ここで重要なのは、AIが必ずしも嘘をつくわけではない、ということです。

むしろ問題は、AIは、そこにある情報しか要約できないという点です。

会社の強みがあっても、ホームページに書かれていなければ拾われません。
社員の雰囲気が良くても、採用ページに出ていなければ伝わりません。
お客様への丁寧な対応があっても、言葉として整理されていなければ、AIにも検索にも要約されません。

逆に、情報が古いまま残っていたり、どこにでもある表現ばかりだったりすると、会社の印象もその程度に要約されてしまいます。

「地域密着です」
「アットホームな職場です」
「お客様第一です」
「やりがいのある仕事です」

こうした言葉だけでは、AIに要約されても、求職者や取引先の心には残りません。なぜなら、どの会社にも当てはまるからです。

特にBtoB企業の場合、商品やサービスの内容が一般の人には伝わりにくいことが多くあります。

技術、加工、商社機能、保守、部品、設備、専門サービス。どれも実際には重要な仕事ですが、外から見ると違いがわかりにくい。

すると、お客様は比較します。そして、今後はその比較の入口にAIが入ってきます。

「府中市で採用サイトに強い制作会社」
「中小企業のホームページ改善に強い会社」
「機械商社の採用広報の事例」
「この会社に依頼するメリット」

こうした問いに対して、AIや検索がどう答えるか。そこに出てくる情報が弱ければ、検討の土俵に乗る前に外される可能性があります。

これは、営業力の問題だけではありません。会社の情報が、比較される前提で設計されているかの問題です。

採用では、さらにこの傾向が強くなります。

求職者は、会社の採用ページだけを見て判断しているわけではありません。検索します。口コミを見ます。求人票を見ます。SNSを見ます。場合によってはAIに聞きます。

「この会社はどんな会社?」
「この求人は応募しても大丈夫?」
「未経験でも働けそう?」
「長く働ける会社?」
「ブラックっぽくない?」

そのとき、採用ページに具体的な情報がなければ、求職者は不安を自分で補います。しかも、不安な人ほど悪い情報を探します。だから採用ページには、きれいなキャッチコピーだけでは足りません。

必要なのは、判断材料です。

どんな仕事をするのか。
入社後、最初に何を覚えるのか。
誰が教えてくれるのか。
一人前になるまで、どれくらいかかるのか。
忙しい時期はいつか。
大変なことは何か。
それでも続けられる理由は何か。
どんな人が向いていて、どんな人には合わないのか。

ここまで書いて初めて求職者は安心して判断できます。

AIで長所だけを見せれば、人の判断は動く。この記事から、そう読むこともできます。しかし、採用やBtoBでそれをやるのは危険です。

短期的には問い合わせや応募が増えるかもしれません。でも、実態と違えば、すぐにミスマッチが起きます。採用なら早期離職につながり、BtoBなら期待外れになります。本当に必要なのは、会社を過剰に良く見せることではありません。

正しく伝え、正しく選ばれること。

ここを間違えると、広報はただの飾りになります。採用ページも、ただのきれいなパンフレットになります。

でも、本来の会社案内や採用ページは違います。お客様や求職者が判断するための、信頼できる材料であるべきです。

MRDが行っているBtoB向けのホームページ制作や採用支援は、単に見た目を整えることではありません。

会社の中にある強みを掘り起こし、お客様や求職者に伝わる言葉に変え、検索やAIに要約されても誤解されにくい形に整理することです。

たとえば、

企業サイトであれば、「何をしている会社か」だけでなく、
「なぜ選ばれているのか」
「どんな課題を解決できるのか」
「他社との違いはどこにあるのか」
を明確にします。

採用サイトであれば、
「人を募集しています」だけでなく、
「どんな人に向いている仕事か」
「入社後にどう育っていけるか」
「働く人が何を感じているか」
まで伝えます。

これからは、会社自身が発信している情報が、そのまま会社の印象になります。そして、その情報は人だけでなく、AIにも読まれ、要約され、比較されます。だからこそ、企業は問われています。

自社は、どう要約されたいのか。
その要約に耐えられる情報を、きちんと出しているのか。

ホームページや採用ページは、ただ作って終わりのものではありません。これからの時代、会社が正しく選ばれるための「判断材料」を整える場所です。

MRDは、その整理と発信をお手伝いします。